3世帯が一緒に住むU邸は、製材業を営んでいた事もあり、木を活かした住宅に仕上がりました。
3世代が一つの屋根に住む事から、「一戸建て」ではなく「長屋」といった建物の形態をとる事にしました。
一般的には使わない「長屋」という形態ですが、お互いを意識しながらに高いプライバシー性を保つ事が出来るの新しい住宅の在り方になりました。
敷地内に鉄骨造の古い倉庫があり、倉庫のリフォーム工事も行いました。
住宅+倉庫+駐車場+庭
製材業を営んでいた事もあり、とても広い敷地です。
右側の建物(黄色)が住まい、左側の建物(シルバー)が倉庫、中央にエントランス兼庭、手前が駐車場といった敷地構成です。
住宅外部の仕様:塗り壁(センターリシン)とタイル貼りの外壁、ステンレス段葺き仕上の屋根、2階への外部階段。
倉庫外部の仕様:ガルバリウムの外壁・屋根、トラックが内部に入るため電動シャッター。
外構:枕木の花壇、コンクリートとアスファルトの駐車場、ガラスブロックを埋め込んだ外壁、ヒメシャラ、カシ、ハナミズキ、ドウダン。
き、キ、木、樹
製材屋さんだったこともあり、お施主様がお持ちになられていた銘木(貴重な木)を使いました。
なかでも、リビングの柱に使われているビャクシン(写真:一番上)は、天然記念物に指定されるほどの貴重な樹木です。
とても存在感があり室内のアクセントとなっています。
リビング南側には和室(写真:上から二番目)を計画しました。
天井は桜の木を使用した船底天井にし、物がリビングに散らからないように脇には収納スペースを設けました。
廊下・玄関(写真:下から二番目)の腰壁には乾燥ヤニ松を使用。
ヤニ松の独特の赤みがかかった色合いと塗り壁とが合わさって落ち着いた空間に見えます。
リビングと洗面所の腰壁にはサワラを使用しています。
白と黒
若夫婦の暮らす2階です。天井は梁を見せて、天窓を取付ける事で、広く明るいリビングにしました。
和室は従来の畳ではなく、白黒の四角い畳にし、1階の和室とは違った現代的な和の空間にしました。
1階の木を見せる空間に対して、白と黒のシンプルな空間にしました。
外観では「一戸建て」、構成は「長屋」
建物の正面 (赤、緑、青で世帯を分けています)
建物の裏 (赤、緑、青で世帯を分けています)
2階全部及び外階段の赤部分が若夫婦世帯。
1階の一部の緑部分がお父さん世帯。1階の一部の青い部分が叔母世帯。
建物内部に階段が無く、1階と2階が内部で繋がっていないため法律上「一戸建て」でなく「長屋」になります。
外観上は一般的な「一戸建て」ですが、内部構成は「長屋」にして、新しい3家族の暮らし方を提案しました。
各世帯に風呂、キッチンがあり、各々が独立して生活出来る様になっています。
1階は廊下を介して世帯が分かれているためお互いを意識しがらもプライバシーを持てる様になっています。
こんなに綺麗になります
上がAfter、下がBeforの写真です。外壁が腐食し錆びていたので、屋根ともに下地を補強し、ガルバリウムで張替えました。
鉄骨も腐食していたので、洗いをかけてサビが下に落ちないようにしてあります。
電動シャッターをつけ、内部に車が入れられるようにしてあります。
上棟式
上棟日はとても良い天気でした。親戚、ご近所さんも集まり賑やかな上棟式になりました。